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生活の知恵|住まいと生活

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住まい生活気ままコラムby石塚恭子
 『生活から学ぶ安全』
火の用心という大切な知恵
 

今年の夏は暑かった。
日々、ひたすら冷やし麺を作り続けた。
だって、火の前に立つとくらくらするんだもん。
冷やし麺ならお湯を沸かし、麺をゆでる時間だけ頑張ればいい。
それでもお湯の煮立つ鍋をかきまわしていると、顔からぽたぽたと汗が落ちる。
少しは顔やせするかも・・・。

さすがに我ながら飽きてくるので、
ラーメン、パスタ、うどん、そば、春雨、そうめん、ビーフンと麺を変えてみる。
具は定番のキュウリ、焼豚から千切りレタス、とまと、ゆできのこ(麺といっしょにゆでる)、
塩揉みなすびとせっせと何でも刻む。
味も甘いの辛いの酸っぱいのと、買いためたまま冷蔵庫で眠っている調味料を適当に混ぜ合わせる。
ピーナツバター+すりごま+ラー油+バルサミコが意外とよかった。
マンネリといわれようが怠慢と言われようが、我が家はそれで生き延びた。

最近では、調理も暖房も火を使わないオール電化の住宅もふえている。
全く火のない家だ。安全と空気が火の燃焼で汚れないのがウリだ。
夏、料理の時には少し涼しいというのもアピールすれるといいかも。

そんな火のない家で育った子供たちがいる。
調理や暖房だけでなく、たばこを吸う家族も減少しているし、
ゴミを庭で燃やすことも無い。
火の経験のない人類だ。

自らは当たり前として火のある半生を生きて来た大人は意外と気がついていないが、
火を全く扱えない子供がいる。
マッチをすれない、いや見たことがない。
現に、気がつくと我が家にはマッチはない。
ガスレンジはあるが(←しつこい)。
火遊びはしてはいけない危険なことだったが、こうも火が身の回りからなくなると、
危険の意味や危険回避のための努力(火の始末。火の用心)という知恵を学ぶ機会も消えている。

安全は、危険を自分でコントロールできてこそ達成される。
子供たちが熱くて危険な火を、うまく扱えるように教えてあげなければ。
だから、間違ってもキャンプにカセットコンロを持って行ってはいけない。
子供たちと一緒に火を起こし、火で煮炊きし、火の始末をしてみるのは、
人類の歴史を伝える神聖な儀式なのです。

 

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