思わぬきっかけで実現した我が住まいのリフォーム。
しかし、リフォームの内容は最初考えていたものとはかなり違うことになった。
ちなみに最終的にリフォーム工事をしたのは
1.洋服等を収納できる間口4mのクローゼット
2.家で仕事ができるように書棚とデスクのスペース
3.自宅用の書類と本のための書棚
4.カーテンとカーペットの取り替え
つまり収納を充実して、私が家で仕事ができる場所を作り、
古びたインテリアを取り替えてきれいにするというリフォーム。
そして、全然考えていなかったのだが
5.キッチン・・・
そもそも、建築家である私はキッチンをリフォームする気はなかった。
それだけはいや、とさえ思っていたくらいだ。
なぜキッチンをリフォームしたくなかったかというと、
我が住まいはマンションであり設備の配管を工事すること、
ましてやキッチンの位置を替えることはとても難しくリスキーだからだ。
余計なことをして、万が一水漏れでもしたら人様にご迷惑もかかる。
第一、キッチンは結構お金もかかるし。
リフォームしようかなと思いついてから、
夫に時々、“こんなことしたらどう?”と思いつきを話したり、
とりとめのないスケッチを書いたりはしていた。
夫婦で勝手なことを言い合っているのは楽しかったが、あまり現実感はなかった。
状況は切羽つまっているというのに。
それが、ある時とうとう避けていたキッチンにリフォームの話が及んでしまった。
しぶしぶ、軽く言ってみた。言ってみただけ、という感じに。
「キッチンをこっちに向けると私は外が見える。あなたが家で仕事をしてるのも見える。
あなたはふりむいたらワインのグラスがある・・・」
「すごくいいじゃないか。何でそうしないんだ?」
キッチンリフォームの面倒とリスクを説明する。
説明しながら自分の気持ちがキッチンリフォームに傾いていくのを感じる。
やっぱり、これかなあ。そうだ、これだろう。
「うちはやっぱりキッチンが重要」という流れができてからコトは急にまとまり始めた。
ばらばらに考えていた収納も、仕事スペースもインテリアも、
キッチンを中心に考えるとうまくいくではないか。
私の頭の中でぴたっと全部が納まって、いきいきと想像できる。
仕方がない、設備の難しさはなんとか工夫してみようかという気持ちもわずかにわいてきたのだ。
何でそういうことになったのか。リフォーム工事が終わった今でも不思議だが。
建築家にアイデアと勇気を与えてくれる神様、ありがとうございます。
奥の食器棚の位置にあったキッチンを移動してダイニングと対面式にリフォーム
リフォーム後のキッチンは見晴らし抜群 ダイニングにいる主人とたわいのない会話も
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