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住まいの収納|住まいと生活

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住まい生活気ままコラムby石塚恭子
 『捨てる技術』
不要品は処分しましょう
 

本屋をのぞいてみると、相変わらず「収納」ノウハウ本がにぎやかに並んでいた。
しょうこりもなく手にとってみるが、
数々の努力が実を結ばなかったマダムの情熱は燃え上がることはない。

「収納」ノウハウ本いわく、
同じ大きさのものを揃えましょう。
小さなスペースを収納に活用しましょう。
ファイルケースや収納ボックスを利用しましょう。
「見せる収納」が決め手です。
細長いすきま収納家具はこんなに入る。
積み上げて高さを利用しましょう。
可愛いカーテンで収納に目隠しを・・・etc。

瞬間的にモノをしまうのは、簡単だ。
その時だけ頑張ればいい。
テトリスだ。無駄な隙間ができないように、詰め込む工夫をするのは楽しいくらい。
ただしゲームと違ってきっちり詰めても消えてはくれないし、
そこから再び取り出すのは容易ではない。

スペースや細々とした工夫をするのは、たいてい苦労ほど成果はない。
細かな工夫は続けることが難しいし、家族の共有部などでは協力が得られにくい。
「見せる収納」が成功するには、しっかりとしたバックヤードが必要だし。
「目隠し収納」系は、どう見ても隠しきれてないことがしばしば。
おまけにカーテンやついたてそのものでかえって室内が狭苦しい、
というのは我が家やお友達の家でよく見かける風景である。

家の中のモノの収納は、なぜか住宅の設計の問題と考えられがちだが、じつはそれはほんの一部だ。
その家族の財産が時間とともに変化し、家族間のやり取りの中で維持されていく活動の連続、
流れのようなものではないか?
だから現代では「永遠にそのまま使える完全なるクローゼット」はありえない。

変化が前提なら、建物ではあまりきっちり固定した仕切りやスペースは避けた方が無難だ。
おおまかに奥行きや広さを決め、収納効率を上げるためには、
その大きな枠の中にこまわりのきく便利グッズを利用すればいい。
収納家具を造作するとなかなか値が張るものだが、
大まかに作るのはコストダウンにもなる。
大きな扉のついた収納スペースの中を、
その時々に合わせてチープなグッズで仕切るという
「押し入れ、または納戸方式」が長い目で見ると破綻しづらいのではないかな。

さらにそこを、ぱんぱんにしてしまわない管理能力が問われる。
ぎっしり詰め込むと、たちまちシステムは回らなくなる。
常に少しのゆとりを残すことが収納術の究極の秘訣だ。

「買わない」「もらわない」そしてやっぱり「捨てる」なのかなあ。
モノを捨てられるくらいなら苦労はしない。
どれもこれも好きな大切なものだし〜思い出があるし〜高かったものもあるし〜
まだ使えるし〜誰かにあげられるかもしれないし〜

もちろん、ホントに大切なモノは捨ててはいけない。
宝物として未来に伝えて下さい。あるいはお墓の中まで持っていきましょう。
自分にとってそれは何か?と考えてみると、
それ以外のモノをちょっと処分しやすくなるみたい(^_^)

 

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